広大地の改正

地籍規模の大きな宅地の評価

 

平成29年度の税制改正の目玉がいよいよ決定!?

 

問題が多いとされてきた「広大地」が改正され「地籍規模の大きな宅地」として財産評価基本通達の改正案が6月22日に国税庁より発表されました。この改正は平成30年1月1日以後の相続・贈与から見直しがされることとなっていますが、改正により、今後の相続税申告実務は大きな影響を受けそうです。

改正の経緯


資産税実務において広大地の判定は非常に重要です。

しかし、実務上、広大地の判定は非常に困難なケースも多いのが現状です。

今までは相続税の還付金ビジネスや加算税を逃れるために一旦広大地を選択せずに申告をしたのち更正の請求をかけるなど、歪んだ状態にあったといえます。

このよう状況になったのは、広大地が適用できた場合の効果と広大地判定の難解さが原因と思われます。また、この効果については以前から減額の要素が地積にのみ影響されることも問題視されていました。改正により、これらの問題を解決し本制度が明確になり、とっつきやすい制度になるように検討が重ねられてきました。

 

改正案


平成29年6月22日に国税庁は財産評価基本通達の一部改正案を公表しました。

改正案によれば、今までの「広大地の評価」は削除され、その代わりに

「地積規模の大きな宅地の評価」が新設されています。

 

財産評価基本通達(案)20-2

地積規模の大きな宅地(三大都市圏においては500㎡以上の地積の宅地、それ以外の地域においては1000㎡以上の地積の宅地をいい、次の(1)から(3)までのいずれかに該当するものを除く。以下本項において「地籍規模の大きな宅地」という。)で14-2(地区)の定めにより普通商業・併用住宅地地区および普通住宅地区として定められた地域に所在するものの価額は15(奥行価格補正率)から前項までの定めにより計算した価額に、その地積の規模に応じ、次の計算式により求めた規模格差補正率を乗じて計算した価額によって評価する。

(1)市街化調整区域(開発行為を行うことができる区域をの除く)に所在する宅地

(2)工業専用地域に所在する宅地

(3)容積率400%(東京都の特別区においては300%)

 

規模格差補正率=(A*B+C)÷A*0.8

 

B・Cは地積規模の大きな土地が所在する地域に応じ、それぞれ次の数値による

①三大都市圏

500㎡以上 1000㎡未満    B 0.95 C 25

1000㎡〃 3000㎡未満    B 0.9  C 75

3000㎡〃 5000㎡未満    B 0.85 C 225

5000㎡〃            B 0.8  C 475

 

①三大都市圏以外

1000㎡以上 3000㎡未満   B 0.9  C 100

3000㎡〃  5000㎡未満   B 0.85 C 250

5000㎡〃            B 0.8  C 500

 

(参考)

現広大地補正率   0.6 * 0.05 * 地積 ÷ 1000㎡ 

 

改正による影響


改正案をみた限り現広大地では、宅地の面積のみで減額幅(広大地補正率のみしか利用できなかった)が決まっていたが、改正案では、広大地補正率の代わりとなる規模格差補正率が設定され、さらに奥行価格補正率や不整形地補正率などを用いることも出来るため、地型なども評価に反映されることとなる。規模格差補正率自体は従前の広大地補正率に比べ、圧縮されてしまうが、より市場価値に近い時価を意識した形となると思われます。

広大地判定については、通達ができてから、16年情報や17年情報などが発表され、実務に混乱を招いたこともあり、今回も油断は出来ないが、通達案自体は「標準的な宅地」や「公共公益的施設用地の負担の必要性」などの文言が消えているため新広大地では、判定が現状より簡素になると予測されています。

しかし、現状では通達案であるため、今後どのように決着するかはわかりません。

資産税実務に大きな影響を与える広大地だけに目が今後も目が離せません。