準確定申告を行う場合の不動産収入の計上基準をご存知ですか?

 

賃貸物件を所有されて方のご相続をお手伝いさせて頂くと必ず出てくる業務として準確定申告があります。

 

準確定申告は通常の確定申告と計算方法が違うところもあるため注意が必要です。

 

 

今回は、準確定申告での不動産収入の計上金額について考えてみます。

事例


平成29810日に賃貸物件所有のAさんが亡くなりました。

 

この賃貸物件に関する収入はどのように計算すればよいのでしょうか?

 

考え方としては大きく3つ存在するのではないでしょうか。

  • 8月までの賃料を計上
  • 発生主義に基づき1月1日から8月10日までの賃料を計上
  • 入金金額により計上

実は、準確定申告における不動産賃貸料の収入計上額を計算するためには、不動産賃貸料の計上時期について確認しておく必要があります。

 

不動産賃貸料の収入計上時期


所得税法36条では賃貸料として収入計上すべき金額は、「収入すべき金額」としています。この「収入すべき金額」については基本通達により内容が明らかにされています。また、所得税法36条とは別に小規模事業者の収入帰属時期として所得税法67条が存在します。更にこれに加え、個別通達が存在します。

個々の条文は確認頂くとして、関係法令を簡便的にまとめて考えてみると以下のとおりとなります

 

 

  1. 契約や慣習により支払日の定めあり・・・・・支払日に収益計上
  2. 契約や慣習により支払日の定めなし・・・・・支払いを受けた日
  3. 青色申告書を提出する小規模事業者・・・・・現金主義(届出がある場合)
  4. 継続的に帳簿を記帳しており、前受未収経理がされている等・・・貸付期間に応じ収益計上

 

(関係法令等)

 所得税法36条・所得税法基本通達36-5・所得税法67条・昭和48年直所2-78

事例検証


 

不動産賃貸料について収入計上時期の取り扱いに照らし合わせて考えてみたいと思います。

 

■ 支払日に収益計上(上記1の場合)

 

一般的な不動産賃貸契約では家賃等は前月末までに支払うと明記されている場合が多いため、7月末には8月分の家賃を受ける契約になっています。

 

そのため、810日が死亡日であれば1月から8月分の8カ月が収入計上すべき金額となります。

 

■ 支払いを受けた日又は現金主義の場合 (上記2・3の場合)

 

11日から810日までに受け取った家賃が収入計上すべき金額です。なお、例え平成28年度の家賃が入金されている場合でも、その金額は収入計上すべき金額に含まれることになります。

 

 

■ 発生主義による場合 (上記4の場合)

 

貸付期間に応じた収入計上、つまりは発生主義により収入計上することになるわけですから11日から810日の収入計上となり、8月に関しては日割りにより計算することになります。

 

 

 

年の途中に発生する準確定申告における不動産収入の計上額は、前年にどのような形で確定申告が行われていたかをしっかり確認する必要があります。