収用時の補償金に関する課税延期の取り扱い

収用に伴う課税関係


個人が所有している土地や建物が土地収用法等により収用されたり、買い取られた場合には、補償金の交付を受けます。

 

この補償金については補償金の内容により所得区分が異なるため注意が必要です。

 

対価補償金については、代替資産の取得の特例や5000万円の控除が利用できることは有名な話です。

今回は、対価補償金以外で以外に金額が大きくなるその他の補償金に関する課税延期について確認してみたいと思います。

 

課税上の取り扱い


収用等に時間がかかり、移転補償金等を受け取った年と、実際に明け渡し移転等が行われた年にズレが生じる場合があります。このような場合、移転補償金等は受け取った年分の収入又は実際に明け渡し移転等が行われた年分の収入のいずれにもすることが可能です。

 

原則的な取り扱い

経費補償金や移転補償金は、原則として収入すべき金額が確定した日の属する年分の収入金額とすることが原則的な取り扱いです。

 

課税の延期

① 収益補償金(租税特別措置法33-32)

立ち退くべき日として定められている日の属する年分の所得とすることが可能です。

 

② 経費補償金や移転補償金(租税特別措置法33-33)

収用等があった日から2年を経過する日とその交付目的に従って支出する日とのいずれか早い日の属する年分の所得することが可能です。

 

租税特別措置法 33-32  収益補償金の課税延期

収用等に伴い交付を受ける収益補償金のうち33-11によらない部分の金額については、その収用等があった日の属する年分の事業所得等の総収入金額に算入しないで、収用等をされた土地又は建物から立ち退くべき日として定められている日(その日前に立ち退いたときは、その立ち退いた日)の属する年分の事業所得等の総収入金額に算入したい旨を書面をもって申し出たときは、これを認めて差し支えない。収用等があった日の属する年の末日までに支払われないものについても、同様とする。

 

租税特別措置法 33-33  経費補償金等の課税延期

経費補償金若しくは移転補償金33-1333-1433-15及び33-30により、対価補償金として取り扱うものを除く。)又は33-18に定める残地保全経費の補償金のうち、収用等のあった日の属する年の翌年1月1日から収用等のあった日以後2年(地下鉄工事のためいったん建物を取り壊し、工事完成後従前の場所に建築する場合等措置法令第22条第17項各号《代替資産の取得期限の特例》に掲げる場合に該当するときは、当該各号に掲げる期間)を経過する日までに交付の目的に従って支出することが確実と認められる部分の金額については、同日とその交付の目的に従って支出する日とのいずれか早い日の属する年分の各種所得の金額の計算上総収入金額に算入したい旨を当該収用等のあった日の属する年分の確定申告書を提出する際に、書面をもって申し出たときは、これを認めることに取り扱う。

 

収用補償金等の課税延期申出書に関する書面


補償金等について、上記の課税延期を行う場合には、書面により課税延期を申出を行う必要があります。この書面の様式ですが、統一した形式のものはなく、各税務署が独自に作成したものが存在するようです。

以下はある税務署の様式と記載方法について記載されたものです。