個人事業主が絶対に避けたい青色申告の承認の取り消し


個人事業主が何げなく提出した青色申告の承認の届出ですが、税務調査にて承認を取り消されてしまう場合があります。

 

普段、青色申告にて申告している個人事業者の方は、青色申告が当たり前すぎて、多くのメリットを得ていることを忘れがちですが、青色申告の承認の取り消しを食らうと多額の税負担の増加を招く場合があるため注意が必要です。

青色申告により確定申告を行うメリットと取消によるダメージ


青色申告にて確定確定申告を行う場合、様々なメリットがあります。

以下では代表的なものをご紹介し、取り消しになってしまった場合のダメージについても検討します。

青色申告特別控除


複式簿記にて記帳を行った場合には65万円(税制改正により55万になる見込み)を限度として青色申告特別控除を受けることができます。ちなみに単式簿記ですと10万円の控除となります。

 

白色申告で確定申告を行っている方の中には帳簿を付けなくてよいから、白色申告という方がいますが、現在は青色申告であろうと白色申告であろうと帳簿の作成は義務となっているため、青色申告にするデメリットというものは無くなっているといえます。

 

【取り消しのダメージ】★★★★

5年分の取り消しがあった場合、青色申告特別控除として65万円の控除が5年分認められず、多額の税負担が生じます。

青色専従者給与


 生計を一にしている配偶者やその他の親族が納税者の経営する事業に従事している場合、

これらの人に給与を支払うことがありますが、所得税の計算上、これらの給与は原則として必要経費にすることはできません。(白色申告の場合、専従者控除として一定額のみが経費に算入されます)

 

ただし、青色申告の承認を受けている場合は届出書を提出することにより、届出の金額を上限として経費に算入させることが出来ます。

 

【取り消しによるダメージ】★★★★★

要件があえば、青色専従者給与の代わりに専従者控除を受けることとなります。

しかし、青色専従者への支払いが年間で何百万円もあるような場合には多額の税負担が生じる場合があります。

純損失の繰越控除が3年間認められる。


青色申告にて確定申告を行った年に事業所得等で赤字が生じた場合に、他の所得と通算してもしきれない赤字がある場合には3年間その損失を利用することができます。

 

【取り消しによるダメージ】 ★★★

白色申告の場合には繰越は認められません。 

30万円未満の少額減価償却資産の特例


取得価額が30万円未満である減価償却資産を一度に必要経費に入れることが出来ます。

(少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円の範囲に限ります)

白色申告の場合、この規定は使えず、減価償却資産として耐用年数に応じて減価償却費を通じ必要経費に算入させていきます。

 

【取り消しによるダメージ】 

単年度では必要経費に算入される金額が減額され、追加で税負担が生じます。

ただし、翌年以降はその分減価償却費が見込まれるため、トータルとしては必要経費に算入される額は変わりません。

青色申告の承認が取り消し対象となる場合となる3つのケース


個人事業者については法人の場合よりも取り消し要件が若干緩くなっています。

 

所得税法150条により、以下の3つのケースを青色申告の承認の取り消しに定めており、詳細は「個人の青色申告の承認の取り消しについて」という事務運営指針にその具体的な取り扱いが記載されています。

1 帳簿書類の備付け、記録又は保存が財務省令で定めるところに従って行われていない


帳簿の備え付け、記録、保存以外に税務職員に対する提示も含まれます

 

そのため、税務調査に当たり帳簿書類の提示を再三にわたり求めたにもかかわらず、正当な理由なくその提示を拒否した場合には、青色申告の承認の取消事由に該当することとなり、その提示がされなかった年分のうち最も古い年分以後の年分について、その承認が取り消しの対象となります。

2 提出した帳簿書類について税務署からの改善指示に従わない


帳簿書類の備付け、記録又は保存について、青色申告の承認を受けている者が税務署長の指示に従わない場合には、その指示に係る年分以後の年分について、青色申告の承認が取り消し対象となります。

3 隠蔽又は仮装行為があった又は真実性を疑うに足る相当な理由があった。


次のような場合が該当します。

  1. 隠蔽仮装の事実に基づく所得金額等(不正事実に係る所得金額等)がその所得金額の50%を超えるとき
  2. 推計によらなければ適正な所得金額の計算が出来ないと認められるとき

※ただし、1.については今後、適正申告が期待できる場合には取り消しの見合わせがされる場合もあります。

取り消しがされた後はどう対応すればよいのか?


不運にも青色申告の承認の取消通知書が届いていまった場合には、再度、青色申告承認申請書を提出する必要があります。(ただし、1年間は税務署は承認申請を却下することが出来きます。)

ただし、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出する必要があり、場合によっては、取り消し後、最大2年間白色申告により確定申告をすることとなります。

なお、手続き自体は通常の場合と変わりません。

その他 個人の税務調査に関する基礎知識


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