相続税申告・相続対策

準確定申告書添付の付表 5つの書き方ポイント


準確定申告書を提出する場合には、通常の確定申告書の用紙に必要事項を記載するほか、原則として『付表』を添付する必要があります。

また、還付税額が発生する場合に相続人の代表者が一括して受け取るようなときは、付表の他に委任状もあわせて提出する必要があります。

付表の提出部数


準確定申告を行う際、添付が必要とされている付表。

この付表ですが、相続人等が1人の場合には、付表の提出は省略しても差し支えないとされています。しかし、相続人等が2人以上の場合には必ず添付する必要があります。

また、この付表ですが、各相続人等を通じて1枚で足ります。

ただし、平成28年分以降の付表から記入事項として、マイナンバーの記入及びすべての相続人等の本人確認書類の提示又は添付が義務付けられました。

これにより、相続人同士が他の相続人等のマイナンバーを閲覧できないように、他の相続人等と一緒に申告せず、他の相続人等とは別に確定申告書及び付表を提出することも可能とされています。このような場合には各相続人ごとに付表を作成する必要があります。

付表の書き方


準確定申告書に添付する付表は、いざ書き始めると書き方について迷う箇所がいくつもあります。以下では書き方に関しよく迷う箇所についての記入方法をご紹介します。

1 死亡した者の納める税金又は還付される税金

被相続人の準確定申告書の「第3期分の税額」の欄の金額を転記します。

予定納税が未納となっている場合でも、その金額を加減算せず書く必要があります。

2 相続人等の代表者の指定

相続人等が2人以上いる場合には、だれが相続人に関する書類等を受け取るかを記入する箇所です。今後の税務署との連絡などを考慮し、記入しておいた方が良いですが、代表者が決まっていない場合には、記入がなくても問題はありません。

3 相続人等に関する事項

①氏名欄の印鑑について

署名をしたあとに印鑑を押す必要があります。この印鑑ですが、実印である必要はありません。因みに準確定申告書の印鑑欄ですが、押印の必要はありません。

②個人番号

平成28年分以降の付表にはマイナンバーの記載箇所が設けられています。マイナンバーの記載ですが、税務署提出用には記入する必要がありますが、控用の付表には記入する必要はありません。提出の際には、付表に本人確認書類のコピーを添付する必要があります。

通常の確定申告では、電子申告を行うことにより本人確認書類の添付が免除されていますが、準確定申告に関しては現状、電子申告の対象となっていませんので注意が必要です。

③相続分

遺言書で相続分の指定がなければ、法定相続分を記入することになります。

④相続財産の価額

相続財産の価額は法定記載事項とされているため、原則としては記入する必要があります。

しかし、準確定申告は相続発生から4カ月以内に行う必要があるため、財産相続が不明な場合も多々あります。このような場合には空欄で提出せざるを得ないことになります。

4 納める税金等

①各人の納付税額

被相続人の準確定申告を行い納付する税額がある場合には、指定相続分が決まっている場合を除き、その納付税額を法定相続割合により按分した金額を記載します。(納付書も相続人等の人数分作成する必要があります。)

②各人の還付金額

被相続人の準確定申告に伴い還付税額が発生する場合に記入します。還付金は積極財産であるため、遺産分割協議の対象となり得るため、分割協議が整っている場合には、各相続人が取得すべき金額を記入します。整っていない場合には、法定相続割合にて各相続人が取得することとなります。また、還付の場合には代表者が一括して受領することも可能です。一括して受領する場合には還付金の受領に関する委任状を付表とあわせて提出する必要があります。

5 還付される税金の受取場所

受け取る方法としては口座振込とゆうちょ銀行の窓口で受け取る方法の大きく2つがあります。

還付金を受け取る相続人等のみ受取口座等の記入を行います。

委任状の書き方


国税庁の確定申告書付表の書き方には、相続人や包括受遺者が受領すべき還付金の受領を別の人に委任する場合には委任状の提出が必要である旨の記載はありますが、法定の書式は存在しないのが現状です。(各税務署で独自に準備している書式はあります)

まとめ


  • 付表は原則、相続人等で1枚作成すればよい。
  • 印鑑は実印である必要はない。
  • 納付税額が発生する場合には法定相続割合で按分した金額を各人ごとに納付書を作成。
  • 還付税額が発生する場合には一括して受け取ることが可能。この場合には委任状が必要。
  • 委任状は法定書式はない。
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