居住用賃貸物件に関する消費税還付は、古くは自動販売機スキームから始まり、作為的な金地金売買スキームなど、従前から問題が多く存在していました。
この問題に対し、令和2年度の税制改正により遂に改正が行われ、令和2年10月1日以後の居住用賃貸物件に係る消費税については仕入税額控除が出来なくなりました。
この改正により、長年にわたる消費税還付に関するイタチごっこも一応の終結があったといわれています。
そして、今後、注意したいのが控除できなくなった消費税等の扱いです。
会計処理によって取り扱いが違う
会計帳簿の作成方法は税込経理方式と税抜経理方式のいずれかを採用しています。
一般的には、免税事業者や簡易課税適用事業者などは税込経理方式。
原則課税方式の事業者は税抜経理方式を採用している場合が多いと思います。
通常の会計処理が税込経理方式で行っている場合には問題はありませんが、税込経理方式で行っている場合には控除対象外消費税の取り扱いに注意が必要となります。
税抜経理方式で会計処理が行われている場合には、以下のいずれかに該当する場合には損金経理を要件にその事業年度に全額を損金算入することが出来ます。
① 課税売上割合が80%以上
② 控除対象外消費税が棚卸資産に係るものである
③ 一の資産に係る控除対象外消費税等が20万円未満であること
繰延消費税等の取り扱い
上記に①②③のいずれにも該当しない場合には税法上の繰延資産として償却をしていくことになります。
初年度 繰延消費税等÷60×事業年度月数÷2(特に初年度は2分の1にするため注意が必要です。)
事前度 繰延消費税等÷60×事業年度月数
改正により新たに出てきたものではありませんが、実務を通じてもそれほど頻繁に出てくるものではありませんでした。
しかし、今回の改正により、金額的にも多額の繰延消費税等が出てくるケースもあるため失念しようないように更に注意が必要となってきそうです。
ひらい税理士事務所 代表税理士
埼玉県越谷市・草加市を中心とした近隣地域において、地域密着型の税理士として活動。
地域金融機関や関連他士業等とのネットワークを活かし、法人決算業務にとどまらず、資金繰り・融資支援、税務調査対応、相続税・資産税業務など、経営者の幅広いニーズに対応。これまで多くの税務調査に立ち会ってきた経験と、金融機関を意識した決算・申告書作成には定評があり、経営の安定と将来の発展を見据えた実践的なサポートを行っている。

