税務調査

埼玉県さいたま市の税務調査立ち会い事例 税務調査のその後

埼玉県さいたま市は、弊所事務所がある越谷市から30分圏内にあるため、よくお仕事をさせて頂く地域でもあります。

今回はそんなさいたま市の個人事業主の方より、ホームページからのお問い合わせをいただき、税務調査のご相談に対応をさせて頂きました。

家族経営(個人)の税務調査が実施される場合に税額的に大きく変わってくる専従者給与や専従者控除について理解することが可能となります。

※事案は匿名かつ概略のみとし、事実関係(地域・人物を含む)を一部変更したうえ、ご本人の承諾を頂きご紹介しています。

ご相談の経緯

相談者の方は個人事業主として10年以上前に独立をされ、建設関係のお仕事をされている方(以下Aさんとします)でした。

Aさんは仕事を始めてから最近までご自身で確定申告をやってきましたが、息子さんが事業に関わるようになってからはAさんの奥さんが資料をまとめ、確定申告時にさいたまスーパーアリーナの確定申告無料相談会にて確定申告書の作成して提出を行ってきたとのことでした。

相談対応

ただ、奥さんとしては誰かに確定申告のやり方を教わっていたわけではなく、旦那さんのやり方をそのまま踏襲しており、近年ではお子さんが事業を手伝うようになったことにより売上も増加し確定申告のたびに本当にこれで良いのか疑問を持ちながら確定申告作業を行ってきた状況でした。

そんな中、税務調査の連絡を受け、近所の税理士事務所に連絡したものの断られ、弊所のホームページを見つけご夫婦で相談にいらっしゃいました。

面談した結果わかった問題点

面談時にご持参頂いた資料

・過去の申告書(白色申告)

・請求書や領収書 ・通帳 など

面談して分かったこと問題点

実際の確定申告書がいい加減に作成されていた。

領収書の保存状況(資料の一部が廃棄されている。)に問題あり。

・通帳も合計記帳になっている。

2人の息子さんが事業を手伝っており、いずれにも給料を支払っているものの年末調整等が行われていない。

実際の確定申告がいい加減・資料の保存状況の問題

Aさんの過去の確定申告書を数年分拝見したところ、いい加減に書類を作成していることがすぐにわかりました。

実際の売上と申告している数字に乖離があり、かつ資料も一部しか残っていない状態でした。(通帳も合計記帳)

また、経費についても売上と同様、一部しか計上されておらず、かつ、資料も一部しか残っていない状況でした。

更に、Aさんと奥さんの業務に関する意思疎通が図られていないため、本来経費に入れるべき経費も多々あることが判明

そのため、事業内容を共有したうえで、経験上経費になりそうなものを一緒に検討。そのうえで資料がないものは資料収集方法について検討し、資料を廃棄してしまっている分については復元の可能性などを検討しました。

息子さんへの給料

本事案では息子さん2人が学校卒業後、事業を手伝っており、その息子さんたちへ給料が支払われていました。(各人数百万程度)

Aさんとしては、実際にお給料を支払っているのだがら、当然に経費になると考えていたようです。

このような事案は税務調査の対応実務上、非常に多いです。

しかし、税金の世界ではこのような理屈が通用しません。

調査対象と予測される5年分のお子さんの状況を確認し、給与として算入できる可能性と扶養控除の金額に誤りがないかを確認しました。

【 専従者控除(白色申告の場合)国税庁HPより一部抜粋 】

生計を一にしている配偶者その他の親族が納税者の経営する事業に従事している場合、納税者がこれらの人に給与を支払うことがあります。

これらの給与は原則として必要経費にはなりませんが、次のような特別の取扱いが認められています。

(1)事業専従者控除額は、次のイまたはロの金額のいずれか低い金額です。

イ 事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円

ロ この控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額

税務調査の結果 

本件では、税務調査前に準備のための時間はかかったものの調査までに多くの資料を収集することができました。

収集した結果としては売上の計上漏れは認められたものの、経費についても多額の経費が漏れていました。

また、専従者控除については、長男は住民票は移していなかったものの働き始めて一人暮らしをしていたため、一人暮らしをしていた事実を立証し、生計別親族として給与の必要経費算入を認めてもらいました。

専従者控除の話は税務調査の立ち会いでは非常によく出てくる論点です。

今回は白色申告のため専従者控除ですが、青色申告の場合には専従者給与となり、届出書が出ているか、実際に支払いがあるかも確認されることとなります。

税務調査では実際の調査日までの少ない時間の中、調査が行われる前に論点となるポイントを押さえ、しっかり資料を整えておくことが重要です。

ひらい税理士
ひらい税理士

税務調査が実施されてから5年後のAさん一家

本件では税務調査後、手許資金や親族からの支援も受けつつ、無事に税金を納付することができました。その後、Aさんの事業はご家族の協力のもと引き継がれ、適切な節税対策や社会保険の見直しを行いながら、法人化という次のステージへ進むことになりました。

法人成りから一定期間が経過した現在では、会社としての体制も整い、建設業として必要な許可を取得し、これまでより規模の大きい案件を任されるようになるなど、着実に事業の幅が広がっています。財務面でも安定し、金融機関からも高い評価を受けるまでに成長しました。プライベートでも事業を引きついだお子さん(B社長)が新たな家庭を築き、仕事と生活の両面で充実した日々を送っています。

事業を引き継いだB社長は実施された税務調査に対して、

家族で税務調査のことを話すことがたまにありますが、税務調査が行われなければ、結婚も出来なかったし、当然かわいい子供達にも出会えなかった。事業だってそれまでと同じで元請けにピンハネされるような利益が薄い仕事を一生懸命やるしかなかった。だから我が家にとって税務調査はその時は辛い出来事だったけど今となってはあって良かった事件だったなんて笑い話をするんです(笑)

とかなり前向きな話を今ではしています。会社は今後も順調に成長していくことが予想され、私としてもこのような話をして頂けるB社長を応援しています。

さいたま市の税務調査に関するお問合せ

ひらい税理士事務所 越谷市蒲生寿町15-37 TEL:048-940-7495 

タイトルとURLをコピーしました