税務調査

冷暖房設備の設置(管工事)を行っている個人事業主への税務調査

冷暖房設備の設置工事は建設業の業種区分でいうと管工事というものに該当します。

個人の税務調査の立ち会いを行っていると、この「管工事」を行っている方への税務調査は非常に多く、最近は毎年1~2回は必ず立ち会う業種の一つとなっています。

※事案は匿名かつ概略のみとし、事実関係を一部変更したうえ、ご本人の承諾を頂きご紹介しています。

目次

  1. ご相談の経緯
  2. 面談した結果わかった問題点
  3. 問題点を検討
  4. 税務調査
  5. 調査結果

ご相談の経緯

ご相談者の方(以下Aさんとします)は10年以上前から冷暖房設備の設置を個人事業主として行っていました。

もともとAさんの仕事仲間の税務調査の立ち会いを数年前に請け負ったことがあり、その時の話を聞き、ご夫婦で弊所へご相談にいらっしゃいました。

面談した結果わかった問題点

面談時にご持参頂いた資料

・過去7年分の確定申告書

・直近1年分の資料(売上・経費に関する請求書や領収書)

・通帳

面談して分かった問題点

・確定申告の作成が納税者の目算で作成されていた。

・領収書の一部が廃棄されている状況

・請求書の多くが紛失している。

・存在する請求書や通帳の入金金額を足してみると売上が1千万以上あると思われたが消費税の申告がされていない。

問題点を検討

ご本人は業務の都合で出張などが多く、資料を収集する時間がなかったため、奥さんと一緒に作業を進めることになりました。

作業が進むにつれ、売上の把握をしたところ、当初申告で記載されている売上高と正しい売上高の大きな乖離がありました。また、経費についても適当に計上がされていたため、過大な経費計上となっていることが判明しました。

幸い税務調査が実施されるまでに時間があることから、ご本人と相談したうえ、税務調査が実施される前に修正申告を行うことになりました。

税務調査

臨場日には男性1人、女性1人の2人の調査官が来ました。

調査当日は10時から始まり、事業内容などの一般的な質問から修正申告を行うに至った経緯について確認がされました。

調査官は特に当初申告と修正申告の売上乖離について着目していましたが、売上の資料を見せながら、売上が過少になってしまった理由などをご本人が説明を行い、調査自体はお昼をはさみ14時に終わりました。

調査結果

本件は調査連絡が10月上旬にきてから終了したのが11月下旬と2か月ほどで終了となりました。

修正申告に対する再修正は発生せず、5年間の所得税の過少申告加算税、消費税の無申告加算税で決着しました。

重加算税や7年遡及とはならなかったものの納税額は合計で1千万円を超えたため、税務署には換価猶予にて分納、市役所、県税事務所ともそれぞれ分納で支払っていくこととなりまた。

税務調査の立ち合い業務を行っていると資料集めや数字の修正を夫婦で協力する方と納税者だけしか関わらないケースがありますが、Aさん夫婦は最初から最後まで奥さんがAさんをサポートして税務調査に対応していたのが非常に印象に残りました。

修正申告書を税務調査前に提出することは加算税の軽減に繋がる場合もあるため、自身がおかれている状況を見極めて検討することが重要です。

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