中小企業にとって融資について知ることは事業を行ううえで非常に重要です。
でも、ここであなたに「知っておいてほしいこと」とは何も小難しい融資の種類や融資を引き出しやすくするテクニックなどではありません。
多くの中小事業者のサポートをしてきた中で思うことは、
融資について「最も重要な根本的なこと」が抜けてしまっている方が非常に多いということです。
そもそも根本的な考え方が間違っていては、いくらテクニックを駆使したところで意味がありません。
そこで、今回は、小規模事業者だからこそ知っておいてほしい「融資のいろは」をご紹介したいと思います。
付き合う金融機関を選ぼう
融資を初めて受けようと考えた場合、あなたはどこの金融機関に行きますか?
おそらく、口座開設している金融機関と考える方が多いのではないでしょうか?
そのため、多くの方がまず考えるのはメガバンクです。
しかし、メガバンクが売上数千万円の企業に融資を積極的に行うことは特別な場合を除きほとんどありません。
中小事業者に積極的に融資を行ってくれる金融機関は信用金庫や地方銀行です。
よって、戦略的に融資を受けようと考える場合には信用金庫と地方銀行を重要視しておく必要があります。
金融機関の考え方を理解しよう
よく、金融機関は「晴れの日に傘を貸して雨の日に傘を取り上げる」という方がいますが、立場を変えればよくわかる話です。
少し極端な例になってしまいますが、あなたが以下の2人の友人からお金を貸してほしいといわれたことを想像してみてください。
- お金が全くなく、仕事もしていない友人
- お金はあり仕事も順調だが、一時的に資金繰りが厳しくなる可能性がある友人
友人なので友情のため、お金を貸すという方もいると思いますが、返してくれそうな②の方に貸す方が一般的ではないでしょうか?
銀行は商売なので、貸したお金がかえってくるかどうかを一番心配しています。
そのため、お金がなく、仕事が順調ではない人には貸したくないのです。
銀行は上記②の人にお金を貸す商売です。このことは非常に重要です。
金融機関はお金が無くなってしまってからだと貸すことを躊躇します。
このことは自分に置き換えて考えれば至極当然のことだと思いませんか?
いつお金を借りるべきか?
上記でご紹介したように、金融機関がお金を最も貸したいと考える相手は
「資金繰りが一時的に厳しくなる可能性はあるが、仕事は順調な方」です。
そのため、融資を受けるためには資金的に厳しくなる可能性があるときになるべく早めに行動に起こしておくことが重要になります。
資金繰りが完全に厳しくなったあとでは厳しい対応をされる可能性が高まってしまいます。
また、金融機関は返済実績がある企業と初めて融資を受ける企業では扱いが全く異なります。
資金繰りが順調なときに少額の融資を受けておき、戦略的に返済実績を作っておくことも有効です。
資金繰りが順調な場合には金利負担も少なくて済みますし、金利負担は税負担を軽減するため、金利を一種の保険と考えて払っておきましょう。
創業期であれば、資金的な余裕があった場合でも創業融資を受けておいたほうがよいです。
創業融資は一般的には政策金融公庫か制度融資を利用することが多いですが、いずれもかなり優遇されています。
創業して約半年程度は6割~7割程度が赤字になってしまうため、少し資金にゆとりがあっても早めに資金手当てをしておくことが重要です。
創業から半年以上が経過してしまうと赤字の試算表を提出しなければならず、融資審査が難航してしまうため、創業期であれば実績が出ていない計画段階で出しておくことも一案です。