建設業に関係する税務融資・資金繰り

え!?、その請求書、実は問題あり?(建設業編)


今日はうっかりやってしまう請求書の話。

お客様の融資の件で、事前に信用金融機関の営業課長と打ち合わせをしていたところ、請求書を見た途端、営業課長の表情が険しいものに・・・。

気になって理由を聞いてみたところ請求書にある文言が・・・・。

請求書の記載一つで融資判断に影響があることが分かり、びっくり・・・・。

今日はそんな話をご紹介します。

相談相手:営業課長のJさん

相談事項:弊所の顧問先E社の融資(設備資金について)

ひらい
ひらい

弊所の顧問先E社が先日、中古で作業車を購入しており、分割手数料があまりに高額だったため、何とかならないかと思いご連絡いたしました。

Jさん
Jさん

お声がけ有難うございます。

中古の作業車などですと分割手数料という名の金利が非常に高額となります。

資金的なゆとりが出来れば何とかしたいところですよね。

ひらい
ひらい

そうなんですよね。

作業車が壊れ、急きょ代わりの車両が必要となったため、資金手当てをする時間がなかったようなのですが、今からでもご負担が減るよう方法はないものかと考え、事業資金として融資をして頂き、その資金で車両の残債を一括返済してしまうことは出来ないかと思いまして・・・・。

ただ資金使途的にはあまり良くないので、融資をしていただいてから資金繰りの中で返済を検討するようにしたいとは思います。

Jさん
Jさん

なるほど。

確かに本来は事業資金ではないですよね。

ただ、融資したお金をダイレクトに返済に充てられてしまうと資金使途違反で完全アウトですが

資金繰りの中で自然に出てきた余剰資金での返済ということになれば資金繰り違反にはならないかと思います。

E社の売上自体は1億円程度とのことですし、他の借入もないとのことですから事業資金の融資自体は十分検討余地があると思います。

ひらい
ひらい

そうですか!!

計算上は実行に移せればご負担も130万円ほど減ると思いますし

金融機関への返済実績も作れるし一石二鳥かなと思っていました。

Jさん
Jさん

そうですね。

まあ、初回取引となりますので保証協会付融資になると思いますが、検討させてください。

ところで、どのような業務を行っているかを確認するために請求書などを見せて頂けますか?

ひらい
ひらい

社長のほうからは資料についても見せてもよいと言われていますので

決算書と請求書を開示致します。

Jさん
Jさん

有難うございます。

拝見します・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。

ん・・・・・・・。。。。。

ひらい
ひらい

何か問題がありそうですか?

Jさん
Jさん

決算の内容は良いのですが、請求書に少し問題がありまして。。。。

建設業の方の請求書によく見られることではあるのですが。。。。

例えば、この請求書ですが

日当●●●●円 ●●人工 ●●●●円

とありますよね?

ひらい
ひらい

はい。

本来の業務は人工出しではないのですが、その請求書だけ見ると人工出しにみえてしまいますよね・・・・。

ただ建設業を営んでいる方から提出される請求書では比較的みる形だと思うのですが・・・

Jさん
Jさん

そうなんです。

でも、このような請求書だと保証協会的にはNGが出る場合があります。

理由は、『このような請求内容では建設工事に労働者を派遣することを禁止している「労働者派遣法」に抵触する可能性があり、保証協会として保証は出来ない』となるわけです。

ひらい
ひらい

え・・・・・。

請求書で一工事500万を超えているものを提出して、保証協会でNGを出され融資却下という話は聞きますが・・・・・。

Jさん
Jさん

まあ、E社の場合には労働者派遣法に抵触するような話ではないと思うので完全にNGとはならないと思いますが、厳しい担当者に当たると問題視される可能性もあるかと思います。

ひらい
ひらい

なるほど。

E社の社長には、請求内容についてもしっかり吟味する必要があることをご報告したいと思います。

今日は大変勉強になりました。

融資の件については、然るべきタイミングでお声がけ致します。

Jさん
Jさん

承知致しました。

準備が整いましたら、またお声がけください。

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