税務調査

副業を確定申告しない人が多すぎる理由

副業で確定申告してない人は多い?

副業で年間20万円以上の所得がある場合、確定申告が必要です。

多くの人が「面倒だから」「税金がかからないと思っているから」といった理由で無申告状態となってしまいます。


特に、給与所得者は源泉徴収が行われているため、税金の仕組みを理解していないことが多く、税金への無知が原因となり副業で収入を得ても確定申告は必要ないと考えている方が一定数います。

ただし、マイナンバー、インボイス制度の導入、簡易接触の増加、電子申告による事務作業効率化などにより、無申告が税務署に発覚するケースはとても多くなってきています。

確定申告を怠ると、税務調査の対象となったり、無申告加算税や延滞税など本来納めるべき税金以上の支払いが発生することになるため、たとえ期限後申告となってしまっても申告することが必要です。

副業を確定申告してない人が多い主な理由

確定申告に対する知識が不足している人が多い

日本では働いている方の9割が会社員と言われています。会社員は会社で給与から源泉徴収され、確定申告の代わりに年末調整で税金の手続きを会社が代行しています。そのため、税金に関する知識が圧倒的に不足しており、多くの人が、副業で得た収入が確定申告の対象となることを知らずにいます。

また、税金を納める必要がある場合には税務署から納付書が届くと思っている方も一定数います。

一度確定申告はしなくて良いと言われた

税務調査の立ち会いを行っていて意外に多い理由です。

商売を始めた年に確定申告をしようと税務署に相談に行った際に所得金額が20万円に満たないため申告はいりませんよと言われ、その後もしなくて良いと勘違いしてしまっている方が一定数います。

確定申告が「面倒」と思う人が多い

 収入が少ないと「バレないだろう」と思い申告しない人もいます。

最近ではネットで確定申告書の作成を行うことができるため、以前のように大混雑の申告会場に行く必要はなくなりましたが、申告の方法が分からなければ、一日がかりで申告会場に行き、教えてもらいながら何とか確定申告をする必要があることから忙しいなか、面倒になり申告をしなくなってしまう方も一定数います。

副業していることを本業の職場にバレたくない人が多い

副業が禁止されている職場で働いている場合、確定申告によって副業が発覚することを恐れる人もいます。

住民税の納付方法を「普通徴収」に変更するなど、正しい手続きを踏むことで住民税により、職場にバレることを回避できますが、そもそも確定申告をしなければ会社にバレないと考える人が一定数いるようです。

期限をすぎてしまう人が多い

年に1度しか行わない確定申告であるうえ、税金のルールも毎年のように変わります。

仕組み自体が分からないうえ面倒に思うなかでつい後回しになった結果、確定申告の期限が経過してしまう人もいます。

期限が過ぎ税務署から何か言ってくると思っていたが何も言われなかったのでそのままになってしまい、数年後に税務調査の対象となってしまうこともあります。

副業で確定申告しないことによるリスク

追加の税金が課せられる

確定申告をしないと、無申告加算税又は重加算税、延滞税が課せられます。

無申告加算税

無申告加算税は、申告期限までに申告を行わなかったことに対する罰金のようなものです。自主的に申告を行う場合と税務署から指摘を受けて申告を行う場合で税率が異なります。


税務署から申告納税額の指定等を受けた場合には、原則、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)は、納付税額が、50万円までの部分は15%、50万円を超え300万円までの部分は20%、300万円を超える部分は30%となっています。(それ以前は、15%(納付すべき税金が50万円を超えている場合、超えている部分については20%))

延滞税

延滞税とは納付期限までに税金を納めなかったことに対する利息です。

確定申告をしなかった人の場合は、納付期限の翌日から2か月間の税率は原則として7.3%、納期限の翌日から2か月を経過した日以降の税率は14.6%となっています。(延滞税特例基準割合 2か月間は2.4%、2か月を経過した日以降は8.7% 令和7年の場合)

税務調査の対象になる

確定申告をしないと、税務調査の対象となる可能性が高まります。

税務署は資料せんやあなたが仕事をもらっている取引先に税務調査に入り、情報をしっかり入手してある程度の確度をもって調査先を選定しています。

取引先からばれる

企業は、支払調書を作成し、税務署に誰に、いくら報酬を支払ったのかについての報告をしています。
そのため、税務署はいくらの報酬を得ていたのかを支払調書を通じて把握しています。

税務調査でばれる

取引先の税務調査を行った場合、実はその取引先だけを調べているわけではありません。その取引先から仕事をもらっている先についてもしっかり情報として把握しています。

第三者からの情報提供でばれる

副業で高い収入を得ているのにもかかわらず、その分の収入を確定申告をしていなければ、多額の税金を支払っていません。

適正に確定申告をして多くの税金を納めている人からすれば、収入がありながら納税していない人に対して快く思わない場合があるのは当然のことです。

また、離婚した配偶者や雇っていた従業員からの税務署への通報も意外に多いことで知られています。

副業が本業の会社にバレる可能性

副業の収入が勤務先の会社に知られることもあります。住民税の納税情報を通じて副業が発覚するケースもあります。

また勤務先で行っている業務と同じ業務を副業で行っている場合には、勤務先の収入とすべきか、副業と捉えるべきか判断が必要な場合には勤務先に反面調査を実施する可能性もあります。

このような場合、副業禁止の会社で働いている場合や勤務している会社から損害賠償請求をされたうえ、職を失うリスクもあります。

社会的信用の低下

確定申告を怠ることは、税法違反とみなされ、悪質な場合は刑事罰の対象となる可能性もあります。

また、納税が出来ない場合には、給与の差押さえや納税証明が出ないなど、通常ではありえないことが生じ、社会的信用を失うことになり、住宅ローンの申し込みなどにも影響を及ぼすことがあります。

副業の確定申告が必要な理由

日本の税法では、年間で一定額以上の所得がある場合、その所得に対して所得税を納める必要があります。副業からの所得も例外ではなく、年間20万円を超える所得があれば、確定申告をして所得税を納める義務が生じます。

「所得」を計算するには収入から必要経費を差し引き計算します。

例えば、以下のような「サラリーマンAさん」の場合を想定してみます。

・駐車場2台を人に貸していて年間収入が12万。この収入を得るために必要経費1万円。

・上記の収入以外にフリーランスの業務報酬として10万円の報酬。その業務を行うために経費2万円。

給与以外の「所得」の金額は

不動産所得12万円-1万円=11万円

雑所得 10万円ー2万円=8万円

合計額 19万円

このケースでは、収入金額は20万円を超えますが給与以外の所得の合計が20万円以下となるため、所得税の確定申告は不要となります。

所得税法 第121条 確定所得申告を要しない場合

その年において給与所得を有する居住者で、その年中に支払を受けるべき第28条第1項(給与所得)に規定する給与等(以下この項において「給与等」という。)の金額が2000万円以下であるものは、次の各号のいずれかに該当する場合には、前条第1項の規定にかかわらず、その年分の課税総所得金額及び課税山林所得金額に係る所得税については、同項の規定による申告書を提出することを要しない。ただし、不動産その他の資産をその給与所得に係る給与等の支払者の事業の用に供することによりその対価の支払を受ける場合その他の政令で定める場合は、この限りでない。

(施行令262の2)〔通達121-1~〕

一 一の給与等の支払者から給与等の支払を受け、かつ、当該給与等の全部について第183条(給与所得に係る源泉徴収義務)又は第190条(年末調整)の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、その年分の利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額、一時所得の金額及び雑所得の金額の合計額(以下この項において「給与所得及び退職所得以外の所得金額」という。)が20万円以下であるとき。

副業の収入・所得の合計が年間20万円以下であれば申告は不要ですが、これはあくまでも「所得税」に限ってのことです。

市区町村に支払う住民税に関しては、20万円ルールのような特例措置はありません。 

副業収入を確定申告せず税務調査が入った場合の対処法

期限後申告を行おう

税務調査の通知を受けたら、できるだけ早く期限後申告を行いましょう。

税務署の調査前に期限後申告をすることで、無申告だった期間に対する加算税や延滞税の負担を軽減することができます。

税務調査に強い税理士に相談する

税務調査対応は当日だけではなく、事前準備も調査後の対応も必要なことから、近隣の税理士事務所でスポットで税務調査対応を行っている税理士を探しましょう。

また、税務調査対応報酬は高額となることが多いため、焦らずに料金もしっかり比較を行ったうえで納得のうえ依頼することが重要です。

税務調査対応を多く行っている私の個人的な意見として税務調査対応を依頼する場合には以下のような税理士を探すと良いと思っています。

・スポットで多くの税務調査対応をしている(顧問先の税務調査とスポットの税務調査では調査対応が大きく異なるため)

・事前打ち合わせや調査後もしっかり対応してくれそう(資料はラインやメールだけでやり取りを行い、面談も行わずに修正申告を出して当日だけ立ち会いをして終わりにしている税理士も中にはいる・・・)

・顧問契約をセット売りにしていない事務所。(料金が安くみえるが調査後の見えない負担が重い。ただ場合によっては必要なこともあるため焦らずによく検討。)

・料金が相場(事務所により料金が大きく異なります。税務調査の恐怖を必要以上に煽るような場合には一旦冷静になる必要があります。)

・税理士事務所まで1時間以内(事前打ち合わせや税務調査後にもフォローをしてもらえるように近場の税理士事務所が良いでしょう。税務調査は当日以外にも税務署に行き折衝をする必要が生じる場合があります)

資料整理や資料準備

税理士に相談する場合にも状況把握をしてもらう必要があります。

相談時には税理士が状況整理を行い方向性を決められるように相談前に資料準備をしておく必要があります。

状況を正しく税理士に把握してもらうことにより、不足している資料のアドバイスを受け、期限後申告のフォローをしてもらえるようになります。

まとめ

副業の確定申告をしていない人は一定数いますが、近年は税務署の情報収集能力が向上し、無申告が発覚するリスクは高まっています。

副業所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要であり、申告を怠ると加算税や延滞税、税務調査などの不利益を受ける可能性があります。

無申告状態は放置していても解決はしません。

むしろどんどん状況は悪化します。

期限を過ぎていても放置せず、まずは自分自身で期限後申告が出来るかを冷静に考え、難しい場合には早めに専門家への相談を行うことが重要です。

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