税務調査

中古自動車販売業の税務調査(三郷市の個人事業主)

埼玉県の新三郷駅は25年以上前から縁があり、たびたび降り立っている駅です。

新三郷駅は今でこそ、Costcoがあったり、IKEAがあったりと埼玉県のファミリー層にとってお買い物の町となりましたが、25年前といえば武蔵野線の上下線のプラットフォームが300メートル以上離れていてギネスにも登録されており、駅前は今の姿から想像出来ないぐらい・・・・なものでした。

今回はそんな縁が何だか深い三郷市で中古自動車の販売業を行っている個人事業主の税務調査の立ち合いを行いました。

※事案は匿名かつ概略のみとし、事実関係を一部変更したうえ、ご本人の承諾を頂きご紹介しています。

ご相談の経緯

ご相談者の方は30年以上前に独立をされ、中古車販売・修理を個人事業として行ってきました。(以下Aさんとします)

自動車販売や修理業は数ある職種の中でも群を抜いて経理処理が難しく、Aさん自身も自分の確定申告に全く自信が持てない中、何とか自力で確定申告書を仕上げて申告をしてきたとのことでした。

そんな中、税務調査の連絡を受け、弊所のホームページを見つけ相談にいらっしゃいました。

面談した結果わかった問題点

面談時にご持参頂いた資料

・過去の申告書(白色申告)

・請求書や領収書 ・通帳 など

面談して分かったこと問題点

・確定申告の作成がいい加減(領収書の保存状況(資料の一部が廃棄されている。)にも問題あり)

確定申告の作成がいい加減

業務内容が中古車の単なる販売だけではなく、USS、JUなどのオークション会場での代行売買、修理業務、車検代行、保険代理店など多岐に渡りました。

また代金の決済方法も振込、クレカ、現金と多岐に渡るため正しい売上の確認が非常に難しい状況でした。

自動車関係のお仕事は法定費用が関係してくるため、消費税申告については特に注意が必要となります。この取り扱いを間違えると納税額に大きな違いが発生します。

Aさんの場合も法定費用の預かりなどがあり、入金額そのものが売上とは限らず、Aさん自身も正しい売上を全く把握できていない状態でした。

経費については必要経費になるものが省かれていたり、逆に経費にならないようなものが当初申告上は算入されていたりとかなり杜撰な申告がされていました。

全体像の把握には時間がかかりましたが何とか調査対象年分については調査前に確認が取れるような状況とはなりましたが、Aさんと色々検討した結果、調査前に事前修正は行わずに調査を受けることとしました。

税務調査

臨場日には女性の調査官2人が来ました。

調査では普段の仕事内容や資料の保存方法などの一般的な質問がされましたが、笑顔で切れ味鋭い質問が飛んできた印象を受けました。

当初は意図的に売上除外が行われていたのではないかと疑われていたようでしたが、業務が多岐に渡り、売上の確認が非常に困難であることを資料を見せながら丁寧に説明しました。

調査は朝10時から始まり、予定よりも少し早めの14時30分に終了しました。

調査結果

本件は調査連絡がきてから終了まで2か月ほど時間がかかりましたが調査結果としては重加算税も付加されず3年間の修正申告を行うことで決着となりました。

納税額としては決して安くはありませんでしたが、何とか手持ちの資金で支払いが可能な額となり、ほっとした事案となりました。

ひらい
ひらい

何でもかんでも事前修正申告を出すのが正解ではないと改めて思った事案でした。

その判断は非常に難しいですが、税理士費用も高額になることからよく考えて決めましょう。

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