不動産賃貸業・投資の税務

未回収家賃の確定申告時における取り扱い


近年では、団塊の世代の資金運用などにより人気の不動産投資。

しかし、物件の供給過多により、空室に悩んでいる大家さんも多いのが現状です。

空室は見込んでいた家賃収入が入らないだけではなく、長期間の空室は建物の劣化にも繋がるため、条件が悪くても空室を埋めるために契約する場合も増えてきているように感じます。

このような場合に気を付けたいのが家賃の滞納です。

家賃の滞納は家賃収入が入ってこないことに加え、一般的には、未入金の家賃部分に対しても税金の支払いが発生するため注意が必要です。

家賃収入の取り扱い


不動産収入の計上時期は、所得税法第36条により、「収入すべき時期」と記載され、この収入すべき時期は具体的には所得税法基本通達により①契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日②支払日が定められていない場合には支払を受けた日③請求があったときに支払うものとされているものについてはその請求日と記載がされています。

つまり、不動産賃貸料は、原則として、賃貸期間とは関係なく契約等に定めらた支払日が収入の計上基準とされています。(前受収益・未収収益と継続的に経理処理を行っているような場合は例外的に貸付期間に応じた収益計上は可能)

よって、一般的には、契約書が存在しその契約書上に家賃の支払日が記載されているため、例え家賃の支払いがない場合でも収入計上を行い所得税等の支払いを行う必要があるわけです。

未回収が確定した場合


賃貸経営を行っていると、避けては通れない問題として家賃が回収できない場合に遭遇します。このような場合を貸倒といいます。この貸倒損失ですが、事業的規模であるか否かにより必要経費に算入される時期が異なります。

  • 事業的規模   ⇒ 回収不能となった日の属する年度の必要経費
  • 事業的規模以外 ⇒ 回収不能となった家賃を収入計上した年度の必要経費

事業的規模以外の場合には、更正の請求を行うこととなるため注意が必要です。

まとめ


  • 家賃収入は支払期限が到来している分は、例え未入金でも収入計上する必要がある。
  • 家賃の未回収が確定した場合には、事業的規模が否かにより取り扱いが異なる。
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